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リスク社会

2008年11月01日
現代はリスク社会であることを以前勤めていた会社の後輩のふたさんから教わった。
イタリアに旅行して帰りの飛行機でのこと。オーストリア航空を利用したので、ローマからウィーンの空港で乗り継いで、いよいよ成田に帰る飛行機の機内で、日本人のおばあちゃんと隣になった。長い時間でもあるので、自分はイタリアに行ったことを話し、おばあちゃんはオーストリアにいったことを聞いた。おばあちゃんは以前は丸の内の財閥系の企業にお勤めで、今はリタイヤし千葉に住んで弓道を趣味として悠々自適の生活をしているらしい。年配ではあるが見るからに、また話す言葉も上品でまあなんというか元お嬢様という感じである。
次第にそれぞれが撮った写真が話題になった。僕も自分で撮った写真を見せ、おばあちゃんの写真を見せてもらった。おばあちゃんのカメラはパナソニックの高倍率ズーム、一眼レフではないが結構いいもののようだ。出入りの松下のお店の人に勧められ、旅行の直前に買ったそうだ。おばあちゃんは、写真を自宅のテレビで見たいのだが、縦位置で撮った写真を縦で再生する方法がわからない、と言うので、縦位置で撮っていることを検知する設定になっていないのではないかと言い、写真と一緒に設定を見せてもらい、電源の減りを抑えるべく液晶モニタのスイッチを切って返した。結果的にはこれが失敗の元。
しばらく話していると、おばあちゃんはメールアドレスをほしがった。このおばあちゃんとメル友になることにリアリティはなかったが、断る理由もないので持っていた名刺を渡し、おばあちゃんのメルアドも受け取った。

さて、帰宅して数日後、おばあちゃんに縦位置の写真が再生できているか、メールした。が、その返信は全く意外なものであった。曰く、写真が全部消えている、あなたが消したのだろう、あなたは詳しそうだったから事故ではないだろう、故意にやったはずだ、どうしてくれるのだ、自分の旅行の思い出が台無しだ、と。
これには参った。もちろん故意に消すはずなど無い。また、カメラに限らず工業製品は不可逆なことをミスでやってしまうことがないようかなり配慮されている。カメラも、写真を削除する際にはもう1回確認のボタンを押さないと消えないようにしてあるのが普通で、ミスで消す可能性も0に近い。とすると、考えられるのは2つ。1つは実は写真は消えておらず、おばあちゃんが操作に慣れていないので再生できていない。もう1つは最悪のシナリオで、別途おばあちゃんが消してしまった。こうなると、もう自分が消していないことは証明できなくなる。

PCのディスクからファイルを削除しても物理的には消滅していないことを思い出し、とにかくメモリーカードから取り出せる可能性を考えた。そこで商品カタログと自分の記憶から型番を割り出して、松下のデジカメのサービスに電話をして事情を話し、画像ファイルを取り出せる可能性について質問した。電話をしながら、一応はおばあちゃんのところには菓子折りもって釈明には行かなきゃいけないかなあと考えた。
幸い松下のサービス方は親切に相談に乗ってくれ、長話になった。そのとき、おばあちゃんからもう1本メイルが来た。先ほどカメラを買った松下の店の人が来たのでカメラをみせたら写真が再生でき、ちゃんと縦位置で見えたとのこと。メールを見ながら、こっちは松下のサービスの方に先方の誤解だったことを告げ、「良かったですねえ」と話し、感謝して電話を切った。
結果的には写真は残っていたので、菓子折りを持っていけばそこで無実は証明できたとは思うが、行かずに済んだ。おばあちゃんが量販店でカメラを買っていたらこうはいかなかっただろう。

そのことを隣の席のふたさんに話したところ、それは僕が悪いとのこと。現代はそういう時代なのだから、知らない人のカメラを触るべきではないと。その通りだ。特に、無造作に液晶モニタのスイッチを切ったことが誤解を引き起こした。
今、身の回りには機能や欠点について完全に理解せずに使っているものが多く、そこから生じるリスクを踏まえながら使いこなして生きていく必要がある。最も典型的な例は原子力発電所だろうけど。
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